ストーリーを面白くしてヒットさせる2つの法則

どうも、ゲームを作ったりビジネスを作ったりしている新田です。

今回は前回に引き続き、ストーリーの話です。

ストーリーを面白くする2つの法則について解説します。

■成功事例を持ってくる

僕が自分のベストと言える映画に、

・プライベートライアン
・シンドラーのリスト

があります。

どちらも、スティーブン・スピルバーグ監督です。

僕はこれらの人間性を表現した作品にものすごく影響されました。

こういう人のこころを根底から動かすような作品が作りたいと思っています。

まあ、まずはそのまえにゲームでマネタイズで成功したヒットを一つ作らねばと思うわけですが・・・(なかなかビジネスのようにうまくいきませんね)。

音楽バンドの「サザンオールスターズ」を知っている人は多いと思いますが、彼らはまず世間に認められるために、大衆のこころを掴む内容にした「いとしのエリー」を作ったそうです。

それでメジャーシーンに出られるようになってから、自分たちがほんとうに作りたいと思っていた歌である「チャコの海岸物語」を作り、それをヒットさせたということです。

まずはヒットし、人目に触れられるところに出てから、自分たちがほんとうに表現したいものを作った、ということですね。

こういう戦略が、まずは必要なのではと僕も思っています。

話がそれました。

「プライベート・ライアン」「シンドラーのリスト」は、戦争の中でこそもっとも明確になる「人間性」を表現した映画です。

どちらも、人が犠牲になりどんどん死んでいってしまう映画です。

映画の終わりまでに登場人物がどんどん死にさらされます。

まるで、登場人物がどんどん「カウントダウン」して死んでいき、最後に殺人鬼に勝つホラー映画のような構造をしています。

ホラー映画と違うのは、最後、英雄は死に、彼らのおかげで生き残った人が、自分の人生の尊さを噛みしめることになる部分です。

これらの2つの映画には人生で1、2を争う衝撃を受けましたが、構造としては、ホラー映画なのです(笑)。

ホラー映画の構造を、人間性の物語に当てはめたわけですね。

こういうふうに、ほかで成功している事例を、自分の分野に持ってきて成功させるというのもあるのだなと、感動しつつも考えていた覚えがあります(笑)。

■非情な世界観と「前提」

「ハンターxハンター」は、ドラゴンボールのようなポップな世界観でありながら、キャラクタの暴力性や異常性が随所に現れる、けっこうめちゃくちゃな設定の話で、これが人気のもとにもなっていると思います。

いわゆる「頭おかしい」人たちの行動を眺めて楽しむみたいな世界観があります。

で、このハンターハンター、演出によって

「この世界ではどんな善良な人や重要そうな人でも容赦なく死ぬ」

という前提が作られていて、ものすごい緊張感があるわけです。

演出というのは、主に脇役キャラなのですが、いとも簡単に殺されてしまう場面です。

村人が子供もろとも殺されてしまう場面もあります。

そういう場面が話の随所に出てきて、「非情な世界観」が演出され、読み手も主人公たちの行動に緊張感を持って眺めることになるわけです。

キメラアント編では、登場するキャラが強い上に非情な連中ばかりで、そのかけあわせが目を離せない展開になっていました。

こうした「前提」の演出は、緊張感だけでなく、面白みも作り出すことができます。

「エンジェル伝説」というマンガがあるのですが、前提として「主人公が強く恐ろしい人だと誤解される」という設定がありました。

実際は優しい主人公なのですが、どう転んでも怖いと誤解され、誤解されるたびに面白いわけです。

それが話の展開と相まって大きな面白みを生んでいたんですね。

ということで、ストーリーの「前提」となる設定を演出することは、ストーリー全体を面白くするためにものすごく大事だなあ、という話でした。

 

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