メガヒットゲームのためのゲームデザインパターン2 販売編

■目次
■1・広告の基礎

●広告が大限の効果を生むための要素

●キャッチコピー:プレイヤーに一番伝えたいこと

●誰が作っているのか? どこが作っているのか?

●ウリ:どういう面白さがあるのか?

●どういうしくみでその面白さを実現しているのか?

●実際に遊んだ人の声(面白いという証拠)を集める方法

●実際に遊んでいるときの画面

●行動を促す

■2・ゲームを作って暮らすために

●決済の手段について

●無料FLASHゲームサイトの運営で暮らせるのか?

■3・あなたのゲームの信者を作る方法

●あなたのゲームのファンをどんどん増やしていく方法

●ゲームに対する「のめりこみ度」を上げていく方法

●ゲームの外で、ゲームの面白さを100倍にする方法

●あなたがさらに利益を上げたければ

●さらに濃いファンを作るには?

●自動的にファンを増やす方法

■4・あなたのゲーム(の会社・サークル)の信者を作る方法その2

●熱狂的なお客を持つ会社の例

●熱狂的なファンをどう作るのか?

■5・あなたの会社に親近感を持ってもらう方法

●社長(代表)、社員へインタビューする意味とは?

●ヒーローという存在

●話題を作る方法のヒント

●ゲームに対する「のめりこみ度」を上げていく方法

●ゲームの外で、ゲームの面白さを100倍にする方法

●あなたがさらに利益を上げたければ

●さらに濃いファンを作るには?

●自動的にファンを増やす方法

■4・あなたのゲーム(の会社・サークル)の信者を作る方法その2

●熱狂的なお客を持つ会社の例

●熱狂的なファンをどう作るのか?

■5・あなたの会社に親近感を持ってもらう方法

●社長(代表)、社員へインタビューする意味とは?

●ヒーローという存在

●話題を作る方法のヒント

●ゲームに対する「のめりこみ度」を上げていく方法

●ゲームの外で、ゲームの面白さを100倍にする方法

●あなたがさらに利益を上げたければ

●さらに濃いファンを作るには?

●自動的にファンを増やす方法

■4・あなたのゲーム(の会社・サークル)の信者を作る方法その2

●熱狂的なお客を持つ会社の例

●熱狂的なファンをどう作るのか?

■5・あなたの会社に親近感を持ってもらう方法

●社長(代表)、社員へインタビューする意味とは?

●ヒーローという存在

●話題を作る方法のヒント

販売編

■1・広告の基礎

ここでは、ゲームをどのように販売するかという視点から、広告の話をします。

日本では、文化的な影響で、製作はするがそれを宣伝するのは氣が引ける、という人が多いのですが、宣伝がないために、「よいゲーム」や「よいゲームを作っている人」が埋もれてしまう、という現象が起きています。

いいゲームがあっても、それが多くの人の目に触れないために、日本のゲーム文化は沈みがちになってしまうのです。
要するに、自分が作ったものを広げることに、超がつくほど消極的なのです。

これは文化的に大きな損失ですし、よいゲームを作れば評価される、という土壌ができていきません。

もしくは、「ゲームが面白ければ自然と広がる」という人がいますが、実際には面白いゲームが広がるというより、大きなメディアが取り上げたゲームが広まる、ということのほうが多いのです。

結果、そんなに面白いゲームでもないのに、知名度は高い…という歪んだ現象が起きてしまうわけです。

ゲームの面白さと、ゲームの広がりというのは、決して比例しません。
なので、個々が宣伝をしない日本のゲームは、一部で大きく評価され、口コミでひそかに広がっているけれど、大多数はその存在すら知らない、ということが多いのです。

逆にアメリカでは、ゲームの製作とマーケティング(宣伝と集客)はほぼセットで語られます。
ゲームの終わりをどうすれば、次に作ったゲームも遊んでくれるようになるか、というところまで考えて、ゲームが作られる傾向にあります。

自分のゲームを広めることに非常に積極的で、そのためにゲームを宣伝するためのサービスができたり、商業的な成功を収める人たちも多く生まれています。
その成功を見た人たちが「自分もゲームで食べていけるようになりたい」「ゲームで評価されたい」という思いを生み、「さらにいいゲームを作ろう」という流れが生まれています。

いくらゲームが面白くても、人の目に触れなければゲームはないものと同じです。

あるいは目に触れても、「やってみよう」という思いを引き出すことができなければ、いいゲームであっても見過ごされてしまうのです。

自分で作ったものを宣伝するのは悪いことではありませんし、自分で作ったものでお金を稼ぐ、ということも、悪いことではありません。

逆に、頑張って作ったものを多くの人に見てもらうことは、ほかの人にいい影響を与えます。
自分も作ってみたいという思いを生み出すことができれば、それはゲーム文化の発展につながります。
よいゲームを作れば仕事の依頼も来るでしょうし、それを販売することで、ゲームを作りながら食べていくことができるかもしれません。

極端なことを言うと、宣伝しないことのほうが、文化的な損失を黙って見過ごしているわけですから、そのほうが悪影響が大きいと言えるでしょう。

事実として、日本のインディーズゲーム文化はアメリカのインディーズ文化に追い越されてしまい、アメリカのほうに豊かなクリエイターがどんどん生まれているのが現状です。
また、アメリカのFLASHゲームの数は、日本の何十倍も多くなっています。

だから、面倒くさがらず、罪悪感を持たず、躊躇せずにどんどん宣伝してください。
宣伝することは、まわりによい影響を及ぼすことができるのです。

自分はこれだけ楽しんでゲームを作っているのだ、ということを示してください。

●広告が最大限の効果を生むための要素

広告に含まれる要素をどのようなものにしているかによって、ゲームの売れ行きは大きく変わっていきます。
広告を効果的なものにするために、広告に含まれるべき要素を、以下に説明します。

ゲームをウェブ上で販売することを前提にしていますので、これらをウェブページ上に書くと考えてください。

●キャッチコピー:プレイヤーに一番伝えたいこと

一番初めに、キャッチコピーが来ます。 キャッチコピーとは、ベネフィット(精神的価値)を書く部分です。 ゲームにおけるベネフィットとは、「どういう面白さがあるのか」です。 どういう感情が刺激されるのか? そういう感情を刺激するためにどういうウリがあるのか? ゲームシステムなのか。グラフィックなのか。世界観なのか?

それを一文で書きます。

「大量のゾンビを車でぶっとばせ! 1000匹連続ぶっとばせ!」 「あなたは数百万の兵を統べる戦国武将になることができるか?」 「かわいいペットを7日だけ預かって! 後にペットはあなたとの経験で変身します」

などなど。 キャッチコピーは、一言でゲームの世界を表現するものが望ましいです。 その一言で、パッとターゲットとなるプレイヤーの気持ちをつかむつもりで書きましょう。

●誰が作っているのか? どこが作っているのか?

次に、誰が作っているのかを書きます。 どういう実績を持った誰が、ということです。

たとえば、前にこういう売れたゲームを作っていた。 こういう話題になったゲームを作った。 こういうところで活躍していた。 こんな賞を取った。 この会社に所属していた。

これを記述することで、ゲームの価値が上がります。

以前に面白いゲームを作った実績があれば、より高く評価されます。
 

 権威のある人、別の業界で活躍している人の紹介あるいは推薦を受けることができれば、また価値があ がります。

もし実績がなければ、ゲームに対する思いを書きましょう。

どういう思いでこのゲームを作ったか? 作っている中、どういう思いがあったのか?

それを書くと、どういう内容になっているのか、興味を持ってもらえます。

●ウリ:どういう面白さがあるのか?

このゲームのここが面白い! というところを説明します。 特徴となる部分を書くのです。

どういう面白さがあるのか? どういう深みがあるのか? どういう感情を揺さぶるのか? どんな気持ちになれるのか? ほかのゲームとどう違うのか? なぜこのゲームを選ばなければならないのか?

そういったことを説明します。 キャッチコピーでは一文でしたが、ここでは割と文章量をかけて説明します。

ゲームの「ウリ」は、そのゲームがほかに類を見ない独自なものであれば、それがそのままウリになりますが、
だいたいはなんらかのジャンルの上で作るので、ほかに似たようなゲームがあり、それらが競合することになり ます。

ですので、それらとの「差別化」が図られている必要があります。 それらとの明確な違いを、ここで示すことになります。

本来、これはゲームデザイン、ゲーム企画のときに明確にするものなので、それをそのまま持ってきます。

差別化について、触れておきましょう。

差別化とは、「その他大勢」に埋もれてしまわないために考えることです。

ゲームショップのゲームソフトの棚に、同じようなRPGのパッケージが並んでいた場合、あなたはなにを基 準にゲームを選ぶでしょうか?

まず、パッケージの絵の雰囲気や、その裏に書かれているゲームの特徴から、選ぶと思います。 そして、ネットでの評価も見たりするかもしれません。

いずれにしても、ほかのゲームとの「違い」が明確でなければ、どれを買うか迷うことになります。

人は商品を見て、およそ0.3秒で、その商品を買うか買わないかを決めると言われます。 あらかじめ、なにを買うか買わないかの基準が決まっているのです。

ですので、その基準を満たすような差別化を図る必要があるわけです。 そしてほとんどの場合、「今までにあったようなもの」というのは、その基準を満たしません。

なにかで突出しているか、新しいなにかが含まれている必要があるわけです。

(これについては、「メガヒットゲームのためのゲームデザインパターン2」の本編で説明しているので、多くは 説明しません)

●どういうしくみでその面白さを実現しているのか?

先ほどの「面白さというウリ」がゴールだとしたら、そのゴールにどうやってたどり着くのかを、ここで示します。 「なぜ面白いのか?」という理由を、説明するのです。

面白さを実現するために、ゲームシステムはどうなっているのか? グラフィックはどうなっているのか? 音楽はどうなのか? 操作はどうなのか? インターフェースはどうなのか?

ゲームがこういう風に展開し、プレイヤーの気持ちはこう変わる、というような説明を、動画、静止画を交 えて説明すると、効果が上がります。


●実際に遊んだ人の声(面白いという証拠)を集める方法

そのゲームをプレイして、実際にどうなのか? それを伝えるために、実際に遊んだ人の声を広告に入れます。 これが、非常に効果があります。

プレイヤーの声は、モニターテストなどでもらいます。

その際に、答える人が回答しやすいように、以下の質問をします。

1・ゲームのどこか面白かったか? 2・どういう部分でも感情を揺さぶられたか? 3・このゲームの面白さを人に伝えるとしたら、どう伝えるか?

その3つの質問をすると、ゲームの面白さがよく伝わる声をもらうことができます。

●実際に遊んでいるときの画面

次に、広告を見ている人がゲームをイメージしやすいように、実際のゲーム動画を入れます。 視覚情報として、実際のゲームの画面を動画で配信するのです。

ゲームで遊んでいるプレイヤーの姿を取れればベストです。 実際に遊んでみて、どんな様子になっているのか? その様子は、ゲームの面白さを如実に伝えることができます。 実況動画を配信するのも、大きな効果があります。

静止画像はたくさんある方が良いです。 画像提示の際に大切なことは、キャプション(注意書き)を入れることです。 そのゲーム画面はどういう状況なのかを、画面の上か下に入れるのです。

そうすると、ゲームがいったいどういう様子で進むのかをイメージできます。 そのイメージは、「やってみたい」という思いを抱かせるきっかけになります。


●行動を促す

広告の目的は、読んだ人にアクションを取ってもらうことです。

ここでは、「どう行動して欲しいか」ということを、端的に書きます。 ここでは、こちらの希望を、ストレートに伝えるだけです。

例えば、購入手続き画面への移行してほしければ、

「遊びたい場合は、下のボタンをクリックして購入手続きへ移行してください」

などと書きます。

もしくはネットゲームであれば、ゲームへの登録画面へ誘導します。

「ゲームメンバーになるには、下のボタンをクリックして、メンバー登録をしてください」

などと書きます。 ストレートに伝えましょう。


■2・ゲームを作って暮らすために

ここでは、ゲームをどうやって売るのか、ゲームでどうやって収入を得るのか、その手段について書きます。

●決済の手段について

一番単純な決済手段は、「銀行振り込み」です。 あなたの口座番号情報を書き、そこに振り込んでもらうよう促します。

振り込みの有無は通帳に書き込んで確認しますが、今ならほとんどの銀行がネットバンキングに対応して いるので、それに申し込んでネットで確認するのがお手軽です。

「銀行振り込みなんて、そんな面倒なことをする人がいるのか?」と思うかもしれませんが、人は本当に欲 しいものがあれば、手続きが面倒であろうとやるものです。

ほか、購入手段は多いほうが、購入する人が増えます。

日本であれば、「ベクター」にゲームを登録し、そこで若干の手数料(販売価格の13%前後)を払って、 ダウンロードも込みで決済してもらうことが可能です。

ベクター http://www.vector.co.jp/

ゲームのダウンロード販売サイトは、ほかにも、

ヤフーゲーム http://games.yahoo.co.jp/games/download/ DMM.com http://www.dmm.com/digital/pcgame/
楽天ダウンロード http://dl.rakuten.co.jp/software/game/

などがあります。 これらは法人格が必要なサイトもありますが、アクセス量が多く、購入率も高いので、ぜひ登録したいとろです。

ほかにも、「DLsite.com」など同人系のダウンロード販売サイトもありますが、こちらは客層が偏っている ので、自分が販売したいゲームのジャンルを考慮して決めましょう。

決済は、独自に決済会社と契約することもできます。 決済代行会社であれば、手数料は販売価格の7~10%に抑えることが可能です。 「決済代行」と検索エンジンで検索してください。

決済代行会社と契約すれば、

・クレジットカード
・コンビニ支払い
・電子マネー

などで決済できるようになります。 この場合、ちょっとしたプログラムの知識がいります。

●無料FLASHゲームサイトの運営で暮らせるのか?

近では、ダウンロードゲームではなく、無料FLASHゲームを作ってアクセスを集め、アドセンスやアフィリ エイトの収入だけで暮らしている人もいます。

アドセンスとは、グーグル社が展開している広告収入プログラムです。 広告をサイトに貼り、それがクリックされるたびに収入になります。 https://www.google.com/adsense/

アフィリエイトとは、「提携」という意味で、広告代行のことです。 アフィリエイトを展開している会社には、以下のようなものがあります。

アマゾン http://www.amazon.co.jp/
楽天 http://www.rakuten.co.jp/
A8ネット http://www.a8.net/
バリューコマース http://www.valuecommerce.ne.jp/
アクセストレード http://www.accesstrade.net/
リンクシェア http://www.linkshare.ne.jp/index.html
TG アフィリエイト http://www.trafficgate.net/

これらの会社と提携し、商品の広告を貼って、そこから商品が購入されれば、一定の料率で広告代行 手数料が収入になる、というしくみです。

ゲームであれば、無料のネットゲーム登録等が1登録70~120円くらいのものがあり、割と登録され やすくなっています。

ここで重要になってくるのはアクセス数です。

アドセンスであれば、およそ100クリックで10円ほどと考えるのが、現在の日本の相場です。 これから計算すると、100万アクセスで10万円になり、暮らしていくにはおよそ200~300万アクセスが 必要になります。日に10万アクセスの計算です。

無料FLASHサイトで効率よく売上を上げるには、以下のような活動が必要になります。

1・集客活動 ほかのサイトとの相互リンク等 2・サイトをわかりやすくする 3・アドセンス・アフィリエイトバナーの配置の適化 4・ゲームの点数を増やす 5・ゲームを「粘り」のある、何度もアクセスしたくなるものにする 6・英語、中国語、韓国語など、多言語対応 7・話題性のあるイベントを開き、大手ニュースブログに取り上げてもらう 8・開発ブログを更新し、常に開発状況を伝える

実際にアドセンスやアフィリエイトで暮らしている方を何人か知っていますが、ほとんどの方がこういった施 策を実施しています。


■3・あなたのゲームの信者を作る方法

ゲームの信者、つまりコアなファンを作りましょう。 コアなファンができると、あなたの作るゲームをリピート購入してくれるので、売上が安定します。 ゲームの売れ行きが安定することで、会社としても次のゲームへの投資がしやすくなります。 では、どのようにコアなファンを作り、育ててゆけばよいでしょうか?

コアなファンを作るためには「ファンクラブ」を作ることです。 そこにコアなファンを集め、ファン同士で交流してもらうことを目指します。

具体的に言うと、常にアクセスできる「リスト」を作ることです。

そして、開発状況や、次のゲームはどういうところに凝っているのか、などの情報を流していきます。 そうすると、ファンの頭の中で、あなたのゲームに関する情報の比率が大きくなり、興味を大きくすることが できる、というわけです。

できたゲームの発表をそのリストに対して行うことができれば、ほぼ決まったパーセンテージでゲームを購入 してもらえるので、売上の予測を立てることもできます。

これは、長く続けることで「ブランド」を作ることにつながっていきます。

●あなたのゲームのファンをどんどん増やしていく方法

あなたのゲームを初見の人がゲームをプレイして、「すごく面白い!」と感想を持ったとしましょう。 そうなったところで、ファンクラブの会員になってもらう流れに乗ってもらいます。 ファンクラブの入り口は、簡単に、入りやすくしておくことが大切です。

どうするかというと、インセンティヴ(報奨)を用意して、ファンクラブに入るメリットを作ります。 ここがポイントです。

例えば入会無料で、会員証の発行や、会員用ニュースレターの発行、特別なグッズの提供などを考えます。

入ることにメリットしかない状況を作り出すことが大事です。

ファンクラブに入ってもらえれば、ゲームが出るたびに告知ができるので、リピート購入をしてもらう率が高く なります。

ブログの閲覧者を増やしていけば、別にファンクラブを作る必要もないのではないか? と思う人もいるか
もしれませんが、ブログの閲覧と、クラブの入会でメールアドレスを登録してもらい、そこにメール送信できる のとでは、大きな違いがあります。

ブログはプル型(情報を引っ張る)のメディアであるのに対して、メールはプッシュ型(情報を与える)メディア です。

ブログは能動的に見に行かなければ情報が見られないのに対し、メールはこちらの伝えたいときに情報を 受動的に見てもらうことができます。

注意して欲しいのは、ファンクラブの入会、メールアドレスの登録は、あくまで本人の意志によるものでな ければならない、ということです。

これをオプトイン(選択して入った)と言います。 商法の規定で、メールを送るときはこのオプトインが必須になっているので、気をつけてください。

●ゲームに対する「のめりこみ度」を上げていく方法

ファンクラブで大事なのは、コミュニティです。 ニュースレターなど、定期発行するメールマガジンでは、「双方向性」を大事にします。

つまり、多くの人が参加し、賑わっている、という感覚を出していきます。 読者の声を乗せたり、要望・意見を受け付け、それに対するフィードバックを返したりします。

よく、一方的にニュースを流しているメールマガジンがありますが、ほとんど見られることはありません。 ファンクラブのメンバーが欲しているのは情報だけではなく、コミュニケーション、親密さなのです。 面白いゲームを作っている人たちに近い位置にいたい、という欲求があるのです。

メンバーの趣向、傾向は把握しておきましょう。 ゲームによって違ってきますが、アンケートを取り、年齢、性別、職業、好きなゲームのジャンルや趣味などを聞いて、ファンの傾向を知ります。 そして、彼ら、彼女らがどんなものを欲しているのか? どういう年齢層が主にプレイしているのかを把握 します。 そうして、よりファンが喜ぶ内容のゲーム、コミュニティを構築していくわけです。

コミュニティを盛り上げるには、イベントを開きます。 アイテムが充実しているゲームであれば、アイテム交換会、スコアを競うものであれば、ゲーム大会などを 開くと、盛り上がります。

イベントでは、特別なデータや各種プレゼント配布をすることもできます。 そのようにして、プレイヤーにイベント参加の動機を持ってもらいます。

ゲームの例ではありませんが、AKB48 という芸能人のユニットは、有料の握手会を行っています。 CDの売上よりも、握手会での売上のほうが高いという話もあります。 いま、タレントも、CDの売上だけでは食べていけないので、このような方法で利益を上げるようになってい るようです。

こうしたイベントの意味は「思い出づくり」にあります。

「思い出」というと、学生時代のころを思い出す人がいると思いますが、学生時代だけでなく、過去の出 来事で印象的な出来事であれば、それはすべて「思い出」になるのです。

ファンクラブとは、一種の社会人サークルですから、そこで大事なのは、「楽しい体験」をすることです。 イベントで実際あった人と、仲良くなるように仕向けていくことが大切です。 知り合いができれば、ホットな雰囲気になっていきます。

詳しくは後述しますが、このようなコミュニケーション体験を作り出すことによって、クラブに対するのめりこみ 度が上がり、ゲームに対する思い入れも増していくのです。

●ゲームの外で、ゲームの面白さを100倍にする方法

なぜ、コミュニティを盛り上げるために、イベントが有効なのでしょうか? それは、コミュニティでのコミュニケーションでも大切なのは、「体験を共有すること」だからです。 体験の共有は、人とのつながりを作ります。

「同じ体験をした」「同じものを共有している」ということが、単純に親密さにつながるのです。

体験を共有してもらうことで、口コミでゲームが広がります。 面白さの基準が、一定以上を超えていれば、人に言いたくなります。 ネットに書きたくなります。 特に、どこかに行ったとか、誰と会ったとか、体で体験したことは人に伝えたくなるのです。

共有の例で言うと、「ひぐらしの鳴くころに」があります。

このゲームは、単体でもテキストがとても魅力的なゲームでしたが、社会現象になるほどにヒットしたのは、 ゲームに解決されていない謎があり、その推理をめぐって、ファン同士が掲示板で交流を深めたからです。

コミュニケーションの盛り上がりがあれだけの社会現象の原因になったことは、想像に難くありません。

●あなたがさらに利益を上げたければ…

ファンクラブは、なにもゲームの告知をしたり、イベントを開くだけのものではありません。 映画やゲームが横展開でグッズ販売をしているように、あなたも関連グッズ(マーチャント)を販売することができます。

例えば、クラブのメンバーを1万人にしたとしましょう。

そこで、ゲームのTシャツや、ぬいぐるみ、バッジ、フィギュア、ステーショナリーグッズなどの関連グッズを販売 することを考えます。

ほかにも以下のようなものの販売が考えられます。

・ポスター ・フィギュア ・携帯ストラップ ・シール ・会員証

例えば、 3ヶ月に一回、5000円のグッズを販売したとします。 1万人のコアなファンのうち、10%の1000人が買ってくれたとします。

 すると、

5000円 × 1000人 × 年4回 = 2000万円/年

の売上がたちます。 これだけ稼げるのであれば、立派なビジネスです。 買ってくれる人たちのパーセンテージは決まってくるので、売上の予測が立ち、次への投資がしやすくなり ます。

●さらに濃いファンを作るには?

ファンは1段階ではありません。

よりゲームに深く関わりたい、よりゲームの深いところまで知りたい、よりクリエイターに近づきたい、という欲 求は自然に起こってきます。 そういう高い欲求を持っている人たちのニーズを満たすために、プレミアム会員、VIP会員などのランクを 作ることができます。

有料の「特別メンバー」という枠を用意し、プレミアム特典や優先権が得られるようにします。 優先権とは、ゲームの先行販売などが受けられたり、クリエイターとの懇親会に参加できたりする権利で す。

ゲームのファンというよりも、自分の会社のファンにしていくことが大事です。 会社の濃いファンが多くなり、濃い情報をブログなどにアップしてくれる人が増えれば、そのメンバーが広報 活動をしてくれているような状態になります。

●自動的にファンを増やす方法

ファンクラブのファンの人数が多ければ、それだけ利益を望めることがわかりました。 では、ファンクラブの人数を右肩上がりで増やしていくには、どうすればいいでしょうか?

それには、ファンに友人を誘ってもらうことです。

人は楽しいことであればそれを伝えたいと思いますから、紹介キャンペーンを開いて、ファンクラブに誘う理由を作ってあげるのです。

カプコンで実施した紹介キャンペーンの例を挙げます。

「バイオハザード1」の前に発売されたゲームで、「バイオハザード」の体験版が同梱されていました。

カプコンでは、体験版の「バイオハザード」をプレイした感想を、友人の感想と一緒に送ってくれれば、特 製非売品のバッジを2個送る、というキャンペーンをしました。 要するに、カプコンのゲームを買ってくれた割と好意的なお客さまの「友人」に、新作を体験してもらってさ らに購入者を増やそうという戦術です。

このキャンペーンは期待された効果を発揮し、カプコンにとってはシリーズではない、新規タイトルであった
にも関わらず、その週に発売されたゲームの中では、購入者がほかのゲームと比べて大幅に増えるという結 果になりました。

バッジは1つ50円もしませんし、送料も100円程度です。 体験版の送料も、購入されたゲームのパッケージに入れたので無料です。 キャンペーンによってどのくらい購入率が上がったのかは定かではありませんが、費用対効果がプラスにな ったことは間違いないでしょう。

もうひとつ、スターバックスの紹介キャンペーンの例を挙げます。 スターバックスでは、「友人への感謝状を書きましょう」というキャンペーンを開きました。

「友人にいつもの感謝を込めて手紙を書きましょう。スターバックスからはそのお友達へのコーヒー無料券 をつけますよ」というものでした。

スターバックスを紹介するようなお客さまですから、カフェのマニアであることが予想され、その人が紹介して くれる友人ということは、マニアになる素養があると期待できます。

感謝の気持ちを書くことで、書くほうも、受け取るほうも、ほんわかしていい気持ちになります。 そこに割引券もついているので、友人も実際にスターバックスに来てもらえる確率が高くなるわけです。 そして、リピーターになる確率も高いと予想できます。

こうした紹介キャンペーンで大事なのは、「友人を誘う理由」を用意してあげることです。

強引でない、自然な理由をつけて、紹介キャンペーンを開いてください。


■4・あなたのゲーム(の会社・サークル)の信者を作る方法その2

信者、エヴァンジェリスト(伝道者)、マニア。 要するに、熱狂的な顧客です。 そういう人たちを作るには、会社を「カルト化」していく必要があります。

●熱狂的なお客を持つ会社の例

「80対20の法則」を知っているでしょうか? 企業の売上の大半は、一部の熱狂的な顧客によるものである、という調査結果があります。

正確な数値を調べていくと、80%の売上は、20%の顧客によってもたらされている、という結果が、どの 企業の調査をしても出てくるのです。

「カルト」といっても、怪しい宗教的な会社を作ろうという話ではありません。 熱狂的な顧客を抱えているスタジオや企業になろう、ということなのです。 つまり、80対20の法則の、熱狂的な20%の顧客を抱えよう、というわけです。

カルト的企業・作品は、以下のような会社があります。

・アップル・コンピュータ
・ハーレー
・ダビッドソン
・フォルクスワーゲン
・フェラーリ
・スタートレック
・リナックス
・ブリザード・エンタテインメント(現アクティヴィジョン・ブリザード)

日本では、

・ソニー
・カプコン
・トレジャー
・光岡自動車
・デジタルステージ
・ポケモン

などがあります。

●熱狂的なファンをどう作るのか?

これらの会社に共通する点は、ほとんどが

ライフスタイルを提示している

ということです。

ソニーの例を挙げると、ウォークマンを持って、かっこよく歩いているCMがあります。 生活のスタイルとして、シャープで、おしゃれで、かっこいい、というスタイルを提供しているのです。

アップルは、iPodで同じことをしています。 アップルの送り出す製品は、そのセンス、スタイル、メッセージ性から、多くの人に認められているわけです。

ハーレー・ダビッドソンはチョッパー型大型バイクの会社ですが、会社が開催するツーリングが定期的に行 われています。 これは、週末にはバイクに乗って楽しもう、というライフスタイルの提案を現実化しているわけです。

また、アメリカでは5年に一回全国大会が開かれ、全世界から何千台ものハーレーが集まってきます。 その様子は毎年テレビで大々的に「ハーレーの祭典」として伝えられています。

日本でもハーレーユーザー同士、あるいは会社主催で、ツーリングを行われています。 ネット上の各種ブログでも、彼らの熱さが伝わってきます。

ブリザード・エンターテイメントは、「BlizzCon」というファンミーティングのイベントを毎年開催しています。 これは、ブリザードのゲームを使った大会や、新作の進捗発表、クリエイターのパネルセッションが行われる、 いわゆる「お祭り」的なイベントです。 ブリザードのゲームファンであれば一度は行きたい盛大な祭りになっています。

「お祭り」は話題作りでもありますが、熱狂を生み出す場でもあります。

 お祭りで驚くべき発表や、サプライズなプレゼント、大会の盛り上がりを経験すれば、イベントは先にも話 した「思い出」になり、参加者の心に一生残るわけです。


■5・あなたの会社に親近感を持ってもらう方法

あなたのブランドを確立するためには、プレイヤーがあなたのスタジオや会社に親近感を抱くように働きか けるのが効果的です。

では、親近感を抱いてもらうには、どうすればよいでしょうか?

ひとつ、注意したいのは、「親近感は人間に対して抱くもの」だということです。 決して、会社に対してではありません。

ですから、人を前面に出していきます。 人を売り込んでいくことが大切なのです。

●社長(代表)、社員へインタビューする意味とは?

あなたの組織に親近感を持ってもらうために、社長や社員にインタビューをします。

社長へのインタビューでは、例えば、

・どういう気持ちではたらいているのか?
・ゲームを通して何を提供しようと考えているのか?

などを質問します。

あるいは、社員へのインタビューでは、

・どういう思いで企画を考えたのか?
・毎日の業務上の苦労話

などを質問します。 それをブログなどで公開するわけです。 対談形式の記事でもいいでしょう。

どういう思い、どういうこだわりで、作品は作られていっているのか? その思いに、読者は共感します。

 特に、作品をどのように考え作っているのか、ということは、「自分でもこういう人を興奮させるものを作って みたい」と思っている人たちにとっては、非常に知りたいことです。 それを知ることで、作品に対する思い入れは強くなっていきます。

「プロの仕事」は、その予備軍の人たちにとっては羨望の対象であり、その内容をすごく知りたいと思ってい
ます。 プロ予備軍の「プロ意識」を刺激することで、そういう人たちが集う会社に興味が湧き、徐々に憧れ
の対象になっていきます。

●ヒーローという存在

会社組織のブランディングでよく使われるのは、「ヒーローを立てる」という方法です。

ヒーローというと、任天堂の宮本茂氏はヒーローです。 実績のある人物は、企業の顔としてマスコミに登場しますから、自然にヒーローになっていきます。

しかし実績がある、というだけでなく、積極的に露出し、キャラクタを「立てる」ことで、会社のブランドを広 める活動につなげることができます。

ゲーム業界でのヒーローといえば、一番初めは「高橋名人」です。 高橋名人は、いわゆるプレイヤーとしてのヒーローで、ハドソンのゲームの宣伝マンとしてゲーム大会に出 没し、すご腕ゲーマーとして名を馳せていました。

その後、毛利名人やバンダイの橋本名人などが出現し、「広告塔」として活躍した時期もあります。 彼らの活動は、ニュースによく取り上げられ、取材の回数も半端でなく多かったのです。

こうした「名人」がきっかけで、日本の各所でゲーム大会が開催され、「ゲーマー」のすごさが持ち上げられ るようになった時期があります。

要するに、ゲームブームの牽引役として一役買っていた「キャラクタ」だったのです。

「キャラクタ」を立てるときは、なんらかの「ナンバーワン」であることが必要です。 高橋名人はゲームのナンバーワンでした。

あなたがヒーローになるとしたら、どんなナンバーワンを表明することができますか? また、一緒に仕事をしている人で、なにかのナンバーワンの人はいませんか?

●話題を作る方法のヒント

話題を作るには、まずニュース性がなくてはなりません。 普段、ありえないことが起こると、ニュースになります。 また、ニュースの視聴者に役立つ情報であれば、それはニュースになります。 一風変わったイベントを開いてもニュースになります。

映画「バットマン・ダークナイト」では、コミックコンベンションという、アメリカ版のコミックマーケットのようなイベ ントで、参加した人で賛同してくれた人に、バットマンの敵役「ジョーカー」格好をしてもらいました。 サンディエゴの街中で、みんなに化粧をしてもらったのです。

一般の人たちはこれで驚き、そして、ニュースとして取り上げられ、ネットで話題になりました。 ニュース映像を見ると、「バットマン」関連だということははっきり分かります。 ニュースとして取り上げてもらう分には広告費がかかりませんから、上手にやれば、広告費の節約にもなり ます。

「バットマン・ダークナイト」は、比較的広告費を必要としないバズ(口コミ)マーケティングの手法を緻密な 計算で使い、全米映画史上2位の興行収入を上げています。

話題づくりには、代替現実(ARG)という手法もあります。
ARGとは、エンタテインメント上のフィクションをあたかも現実のように見せる手法です。
始まりは、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」だといわれています。

映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」のプロモーションも有名で、今でも関連の動画などが見られます。

架空の事件を、あたかも実際に放映されたニュースを youtube に落としたかのように見せています 。
(何も知らないと、本当にあった出来事なのかとだまされる人もいます)
http://www.youtube.com/watch?v=v5Lvl7FORI8

以下は、架空の会社、架空の商品が、あたかも実際に存在するかのようにウェブページが作られていま す。

アメリカ人にとっては日本は外国ですから、それなりに信憑性がある…かのように感じられたようです。
http://tagruato.jp/
http://www.slusho.jp/

「バットマン・ダークナイト」でも、登場人物や、舞台となっている架空都市のテレビ局のサイトがあります。 http://www.whysoserious.com/ (ジョーカーが運営しているという設定のサイト)

http://gothamcablenews.com/ (ゴッサムのケーブルTV局が運営しているという設定のサイト)

こういったプロモーションは、ゲームを面白くすることが大前提ですが、その上で、現実世界もゲーム感覚で盛り上げることを考えてみると面白いでしょう。

プロモーションから、あなたのゲームに対する注目度も上がってきます。

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