元海兵隊のスコット・ハリソンは、ベトナム戦争で膝を負傷し、わずか7ヶ月でアメリカに送還されることになった。
国に帰ってからは恥ずかしさのあまり、「他の兵士の目をまともに見ることができなかった」という。
ハリソンは罪悪感を紛らわせるために、アルコールとドラッグにのめりこんだ。
他人を避け、最終的にカリフォルニア州のサンノゼに移り住むと、船の修理の仕事についた。
サンノゼでも、できるだけ他人との接触を避ける生活は続いていた。
そして全長10メートルほどの帆船を自分で作ると、ひとりで太平洋の彼方に向かって出発した。
彼は気が動転し、船の上でずっと泣いていた。
大きな嵐が来て、この惨めな人生を終わりにしてほしいと心から願っていた。
願いが叶えられないまま30日目を迎えた時、船と同じくらいの大きさの鯨が近くにやってきて、ハリソンの目をじっと見つめた。
その鯨は、3時間から4時間くらい、ずっと船の横を泳いでいた。
そのときハリソンは、「今までに経験したことがないほど、大きな愛に包まれているのを感じた」という。
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