人生は自分に正直なものだけが合格できるテスト

同僚の特派員は中央アメリカに派遣され、現地でゲリラ組織に拉致された。
政府軍はゲリラのアジトを突き止め、人質の救出作戦を開始。

ゲリラは人質を手放す代わりに射殺することを決めた。
特派員も、銃を持った男にひざまずかされ、頭に銃口をつきつけられた。

絶体絶命の瞬間、特派員の脳裏をよぎったのは家で待つ妻ではなく、高校時代の恋人だった。
この10年あまり、話をしたこともなければ、思い出すことさえほとんどなかった女性だ。

突然、爆発音がとどろいた。その直後、政府軍が突入してきて特派員は無事救出された。
九死に一生を得た特派員は、あの瞬間に分かった意外な胸の内について、じっくり考えた。

自分は一度死んだも同然だ。だったら、やるべきことは1つしかない。
特派員は自宅に戻ると、すぐさま高校の恋人に電話した。
彼女は離婚して独り身だという。そして特派員は妻と別れ、彼女と再婚した。

これはおとぎ話のハッピーエンドではなく、実話のハッピーエンドだ。
人生は自分に正直なものだけが合格できるテストである。
第1問に正解するには自分が何者なのか突き止めなくてはいけない。

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